カイ・イ・シ・あらためる(漢字)

普及版 字通 の解説


7画

[字音] カイ・イ・シ
[字訓] あらためる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[その他]

[字形] 会意
巳(し)+攴(ぼく)。巳は蛇形の蠱(こ)虫。媚蠱・巫蠱のような呪詛に用いた。これを攴(う)つのは、その蠱霊をはたらかせる呪的行為。〔説文〕三下に「(かいかい)なり。大剛卯(だいがうばう)以て鬼(きみ)をふなり」という。は祟(たたり)をなす呪霊をもつ獣を殴つ形。ともにそのような呪的方法で、禍を改めるのに用いた。卜文には巳に血の滴る形をそえるものがある。また牛や羊などを用いて「せんか」と卜する例があり、はおそらく改の初文。改においては、己にそのような呪的意味は認めがたい。〔説文〕は(し)の字義を以て解するものであろう。は施と同じく、「ころす」意である。清の鈕樹玉の〔説文解字校録〕に「(炎武)云ふ、宋本五譜・傳、皆古の切、毛斧季めて余止の切と爲すは、玉に依れるのみ」という。はおそらく双声畳韻の連語であろう。金文の〔牧(ぼくき)〕に「(きうかい)」という語がある。卜辞に「羌(きやう)百をすること勿(なか)らんか」のような例があり、禍を更改する呪的な方法であった。

[訓義]
1. あらためる。
2. (施)(し)と通じ、ころす。語彙は改字条参照。

[下接語]

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報