ウォルフ(Friedrich Wilhelm Wolff)(読み)うぉるふ(英語表記)Friedrich Wilhelm Wolff

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウォルフ(Friedrich Wilhelm Wolff)
うぉるふ
Friedrich Wilhelm Wolff
(1809―1864)

ドイツの社会主義的文筆家。シュレージエンの小農の子として生まれる。ブレスラウ大学在学中ブルシェンシャフト(学生組合)運動に参加、1842年以降、故郷農民や織布工の窮状を訴える論説を発表した。代表作に、1844年の織布工の蜂起(ほうき)の原因と経過を論じた『シュレージエンにおける貧困と蜂起』(1847)や、プロイセン改革(シュタイン‐ハルデンベルクの改革以後ユンカーによる農民の搾取を弾劾した『シュレージエンの十億』(1849)がある。他方、1847年以来、共産主義者同盟に参加し、三月革命ではマルクスに協力して『新ライン新聞』の編集に携わった。革命後、イギリス亡命、1864年マンチェスターで没した。

末川 清]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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