イチョウ(銀杏/公孫樹)(読み)イチョウ

百科事典マイペディア の解説

イチョウ(銀杏/公孫樹)【イチョウ】

中国原産といわれるイチョウ科の落葉高木。葉は扇形で切れ込みがあり,秋鮮やかに黄葉する。雌雄異株。4月開花し受粉するが,受精は10月,種子の成熟直前に行われる。イチョウの精子は1896年平瀬作五郎により種子植物としてはじめて発見された。種子の外種皮は黄褐色,多肉で悪臭がある。白くかたい内種皮に包まれた胚乳銀杏(ぎんなん)といい,食用。種子が奇形的に葉に生ずるものをオハツキイチョウという。寺社境内,庭,街路に広く植えられ,また盆栽とする。材は黄白色で均質で将棋盤や駒,細工物に利用。なお,ときに幹や枝から気根をたれるが,これを乳(ちち)という。
→関連項目遺存種

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