イエヒメアリ(読み)いえひめあり(英語表記)Pharaoh's ant

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イエヒメアリ」の意味・わかりやすい解説

イエヒメアリ
いえひめあり / 家姫蟻
Pharaoh's ant
[学] Monomorium pharaonis

昆虫綱膜翅(まくし)目アリ科に属する昆虫。元来、熱帯地方にすむアリであるが、人間の活動に伴い世界各地に侵入して分布を広げている。日本では1930年(昭和5)に大阪市で発見されたのが最初の記録である。熱帯地方では樹木空洞などに営巣するが、侵入国では家屋の床や壁のすきまなどにも営巣し、食物に寄り付いて害を与える。結婚飛行や縄張り性が退化し、巣の増殖は分巣によって行われる。

[山内克典]

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世界大百科事典(旧版)内のイエヒメアリの言及

【ヒメアリ(姫蟻)】より

…日当りのよい場所の枯草の茎や腐朽した木材の中などに巣をつくり,ときには屋内に侵入して食品を加害したり,人の皮膚の柔らかい部分を刺すことがある。本種に似たイエヒメアリM.pharaonis(英名Pharaoh’s ant)は体長1.9~2.5mm,黄褐色で腹部の先端はやや暗色,頭胸および腹柄には微小な点刻が密布し光沢がない。熱帯アフリカの原産で,交易に伴って全世界に広がっている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」