くう‐どう【空洞】
〘名〙
① 物の中に穴が開いてうつろになっていること。その穴。また、形式ばかりで、内容のないことのたとえにもいう。
※四河入海(17C前)一七「磬は其内空洞にして、水にも浮ぶものなる程に浮磬と云歟ぞ」
※荷風の生涯と芸術(1956)〈中村真一郎〉一二「自己の中核の満されざる空洞が〈略〉あらわに口をあけているのが」
※車屋本謡曲・車僧(1514頃)「くうだう風涼し」
③
炎症や壊死によってくずれた組織が、体外に排出または体内で吸収されたために臓器の一部に生じた空間。
肺結核で肺にできるものなど。
※亜剌比亜人エルアフイ(
改作)(1957)〈犬養健〉五「これが喀血した年の古い写真です〈略〉肉眼では見逃しやすいが空洞があります」
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デジタル大辞泉
「空洞」の意味・読み・例文・類語
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空洞
くうどう
cavity
炎症や組織壊死によって変性した組織が体外に排除,あるいは吸収されたのちにできる空間。肺結核で乾酪壊死巣が軟化してできる空洞がよく知られている。この肺の空洞は,喀出される内容物に混る結核菌によって,他に広がったり感染したりする禍根となるので重視される。
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空洞
高橋新吉による詩集。1981年刊行(立風書房)。1982年、第15回日本詩人クラブ賞を受賞。
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くうどう【空洞】
充実性臓器(肺,肝臓,腎臓,脳など)の内部に病変が生じ,その中心部が崩壊して中空となった病巣をいう。通常,中空となるには,崩壊した中心部の物質が吸収されるか外界へ放出されねばならない。したがって気道を通して外界と交通のある肺の病変で最も多く認められるもので,主として肺疾患のときに好んで用いられる言葉である。最も多い疾患は肺結核に際して生じる結核性空洞cavity tuberculousで,中心の乾酪壊死物質は一部は吸収されるが,大部分は気道を通じて咳や痰とともに放出されて中空をつくる。
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普及版 字通
「空洞」の読み・字形・画数・意味
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