日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンゴラ(ウシ科)」の意味・わかりやすい解説
アンゴラ(ウシ科)
あんごら
Angora
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。同科ヤギ属のうちトルコ原産の1品種。毛用種としてアフリカ南部、北アメリカ、オーストラリアで多く飼育される。耳は薄くて垂れ、雌雄とも外側に向かう螺旋(らせん)状の角(つの)がある。体格は小形で、体重27~36キログラムであるが、毛は1か月に約3センチメートル伸び、20~25センチメートルの長さに達する。1年2回の剪毛(せんもう)で年に約2キログラムの毛量がある。若い個体には柔軟な、白い絹状光沢のある毛があり、冬毛はモヘアmohairとよばれ、高級織物の原料として珍重される。毛は年とともに粗剛になり、品質は劣る。
[西田恂子]