アルトゥン山脈(読み)あるとぅんさんみゃく

改訂新版 世界大百科事典 「アルトゥン山脈」の意味・わかりやすい解説

アルトゥン[山脈] (阿爾金
)
Altun

中国,新疆ウイグル(維吾爾)自治区南東部にあり,東北東から西南西にのびる山脈タリム(塔里木)盆地とチャイダム(柴達木)盆地の境界青蔵高原の北縁をなす。全長約750km,平均標高3600~4000m,西部崑崙(こんろん)山脈に接し,比較的高い。東部はやや低く山幅も約20km,青海,甘粛両省の境界で祁連(きれん)山脈と接する。西北の乾燥地域に近く,森林は発達せず,5000m以上は高山性の不毛な寒冷砂漠となる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルトゥン山脈」の意味・わかりやすい解説

アルトゥン山脈
あるとぅんさんみゃく / 阿爾金山脈

中国、青海(せいかい/チンハイ)省と新疆(しんきょう/シンチヤン)ウイグル自治区の境界にある山脈。崑崙(こんろん/クンルン)山脈から北東へ派生し、北のタリム盆地と南のチャイダム盆地とを分ける障壁をなし、東方は祁連(きれん/チーリエン)山脈に続く。東経86度から95度まで延長約900キロメートル、高度は3500~4000メートルである。最高峰はチャルフリク南西方の6295メートル峰である。西端からタリム盆地へ流れるアヤリク川の扇状地チャルチャン東端の党(とう)河の扇状地に敦煌(とんこう)があるが、中央部北側はクムタグ砂漠やロプノールがある極度の乾燥地となっている。東部にあるアルトゥン山(5798メートル)の東に当金山口(峠)があり、敦煌とチャイダム盆地のゴルムドを結ぶ道路が通っている。

[酒井敏明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例