駒井(読み)こまい

精選版 日本国語大辞典 「駒井」の意味・読み・例文・類語

こまい こまゐ【駒井】

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日本歴史地名大系 「駒井」の解説

駒井
こまゆ

愛知えち川を水源とし、現市域北西部の箕作みつくり山系南麓(旧小脇郷)一帯を灌漑する中・近世以来の用水路。こま井・こま井・高麗井とも記され、小脇おわき井・保内川・いかだ川などの名称があった。現在は筏川と称され、おお川・清水しみず川などの支流をもつ。寛文三年(一六六三)愛知川筋分水古図(蒲生郡志)や明治一三年(一八八〇)の駒井筏川縮図(中小路町共有)によれば、神崎てら村地内で愛知川から取水、小脇堰を経てほぼ西に向けて林田はやしだ(ここから中小路村への分流がある)妙法寺みようほうじ村・村・金屋かなや村と流れ、同村と八日市村の間の神崎・蒲生がもう両郡境をなす。この付近で流路は二つに分れて蒲生郡小脇郷に入り、北側の一本は成願寺じようがんじわき今里いまさとの三ヵ村を経て内野うちの(現蒲生郡安土町)に至る。南側の一本はつじ宿しゆく糠塚ぬかづか野口のぐちの四ヵ村を灌漑する。

古代小脇にいた豪族高麗長者が開削したという伝承があり、また佐々木氏臣狛氏が着工したとも伝えられているが(「蒲生郡志」など)、開削の時期や主体については不明。鎌倉末期の徳治二年(一三〇七)、小脇郷およびかき御園灌漑のために愛知川に立てられた新井に反対する愛知川対岸の興福寺領鯰江なまずえ庄庄民と、小脇郷地頭佐々木氏らの間に争いが起きている(「興福寺三綱補任」など)

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