デジタル大辞泉
「アマルフィ」の意味・読み・例文・類語
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アマルフィ
Amalfi
イタリア南部,カンパニア州,サレルノ湾に臨む景勝地,保養地。人口5900(1990)。4世紀にローマ人の開いた町という。9世紀にはベネチア,ジェノバと肩を並べ,とくに11世紀には〈海の共和国〉として東方交易で栄えたが,12世紀にノルマンに征服された。海の民の名にふさわしく,アマルフィの住民はヨーロッパで他にさきがけて,すでに12世紀末から航海に磁石を使用していた。共和国時代の商法である〈ターブラ・アマルフィターナ〉が保存されている。
執筆者:望月 一史
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アマルフィ
Amalfi
イタリア南部,カンパーニア州サレルノ県,サレルノ西南西約 15km,サレルノ湾北岸にある港町。ビザンチン帝国の支配下に入ってから港町として栄え,9世紀にはピサに対抗する海洋共和国として繁栄したが,1135年と 1137年にピサによって破壊され,衰退。美しい海岸にある絵のような古い町で,1997年世界遺産の文化遺産に登録されたイタリア有数の観光地,保養地。なかでも9世紀創建のサンタンドレア聖堂は白と黒の石のファサード (19世紀修復) をもつロンバルド・ノルマン風の建物で,壮麗な青銅の戸口は 1066年頃にコンスタンチノープル (現イスタンブール) でつくられたもの。食品工業がある。人口 5585 (1991推計) 。
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アマルフィ
あまるふぃ
Amalfi
イタリア南部、カンパニア州サレルノ県の小都市。ソレント半島南岸にある。人口5421(2001国勢調査速報値)。現在みるべき産業はなく、観光地となっている。しかし、10~11世紀にはビザンティン帝国の宗主権下にある海港都市として活発な商業活動を行っていた。この点でベネチアの初期の歴史に似ている。しかし後背地に恵まれず、11世紀末以降ノルマンの支配下に入ってしだいに衰えた。ノルマン様式の美しい大聖堂と鐘楼がある。
[清水廣一郎]
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アマルフィ
Amalfi
中世に栄えたイタリアのナポリ南東の商港
9〜11世紀にはイスラーム諸国・ビザンツ帝国と通商してヴェネツィア・ジェノヴァ・ピサと並ぶ都市となった。ノルマン人の侵入で打撃を受け,十字軍の遠征以後,北イタリア都市に押さえられ,14世紀以降は衰えた。
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アマルフィ
真保裕一の長編小説。2009年刊行。海外での邦人保護をテーマにしたサスペンス。イタリアを舞台にした、外交官・黒田康作シリーズの第1作。
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世界大百科事典(旧版)内のアマルフィの言及
【商業】より
…〈中世農業革命〉あるいは〈大開墾の時代〉と呼ばれるこの現象は10世紀末ぐらいから各地の人口を増大させ,商業活動に刺激を与えることになった。これを受けて地中海地域では,ベネチアやアマルフィのように従来ビザンティン帝国と密接な関係をもっていた都市の商人の活動がさらに活発になり,コンスタンティノープルおよびその周辺だけでなく,シリア,エジプトなどでも活動するようになった。ベネチア人がキプロス,クレタおよび黒海沿岸を除くすべての帝国領内で関税を免除され自由な商業活動を行うことを皇帝アレクシオス1世に許されたのは1082年であった。…
※「アマルフィ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」