アセット・マネジメント(読み)あせっとまねじめんと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アセット・マネジメント」の意味・わかりやすい解説

アセット・マネジメント
あせっとまねじめんと

資産assetを効率よく管理・運用managementすること。株式、債券預貯金、金などの商品や不動産などの資産全般を対象に、投資先を分散することで安全性を確保しながら、投資利回りを最大化する目的をもつ。狭義には、資産の管理・運用を代行する業務一般をさす。現代ポートフォリオ理論modern portfolio theoryを活用し、預貯金や金などの安全資産と株式などのリスク資産への分散、円、ドルユーロなど内外通貨建て資産への分散、短期資産と長期資産への分散などで、最適な投資先の組合せ(ポートフォリオ)をつくることを意味する。同時に、会計制度に合致した資産の最適評価や、運用コストの低減・効率化も求められる。

 日本の社会資本は、第二次世界大戦後の高度経済成長期に急速に整備されたこともあり、老朽化した道路、橋、トンネルなどの維持管理が重要な課題となっている。このため、政府や地方自治体で、公共インフラを効率よく管理し、低コストで維持・補修・新築していく公共施設のアセット・マネジメントという概念が導入されるようになっている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例