アカデミック・リーダーシップ

大学事典 の解説

アカデミック・リーダーシップ

ある教員(リーダー)が,他の教員(フォロワー)に対して影響力を及ぼす行為の総体を指す。本来リーダーの公的な立場にかかわらず,フォロワーが自発的にリーダーの影響力を受け入れて,行動を変容させること(インフォーマル・リーダーシップ)を指すが,狭義には管理的立場にある教員(アカデミック・アドミニストレーター)が与える影響力を指す。とくに次の四つの領域において影響力や存在感を発揮することが期待される。①学部や大学全体の目標実現に対して,教員が行うべきことを明確にする,②教員間で異なる見解がある際に,状況を整理し,新たな意味づけを行い,教員組織の活動の非効率性を最小にする,③教員組織内の規範を維持する,④大学内の人間関係を安定的にして安心感を与える。そのためリーダーは明確な目標を持っていることが重要であり,その目標が他の教員から見ても実現したいと思えるものであれば,リーダーシップは発揮されやすい。リーダーシップは関係性に規定される上,多くの大学で教員組織はフラットであるため,アカデミック・リーダーシップの発揮においては,リーダーとフォロワーの接触時間の長さも重要な要素の一つとなる。
著者: 中島英博

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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