日本大百科全書(ニッポニカ) 「アウグスト(2世)」の意味・わかりやすい解説
アウグスト(2世)
あうぐすと
August Ⅱ
(1670―1733)
ポーランド王(在位1697~1704、1709~1733)。ザクセン選帝侯としてはフリードリヒ・アウグスト1世Friedrich August Ⅰ(在位1694~1733)。強健王Mocnyとよばれる。ドレスデンの名門ベッティン家の出。5月12日生まれ。ロシアとオーストリアの援助により、1697年にポーランド王位についた。ロシアのピョートル1世(大帝)と協定を結び、1700年にポーランドを北方戦争(1700~1721)に参加させたが、これに不満をもつシュラフタ(国内の士族階級)の一部が、スウェーデン王カール12世の支援を受けて、スタニスワフ1世レシチンスキStanisław Ⅰ Leszczyński(1677―1766。在位1704~1709)を国王に選出したため、退位した。その後ロシアの援助を受けて復位し、ポーランドに絶対主義を確立しようとしたが、シュラフタの軍事的抵抗(タルノグルド連盟)にあって失敗した。1733年2月1日没。
[安部一郎]