へ・ヘ(読み)へ

精選版 日本国語大辞典 「へ・ヘ」の意味・読み・例文・類語

へ【へ・ヘ】

〘名〙 五十音図の第六行第四段(ハ行エ段)に置かれ、五十音順で第二十九位のかな。いろは順では第六位で、「ほ」のあと「と」の前に位置する。現代標準語の発音では、咽頭の無声摩擦音 h (ほぼ母音 e の構えで声帯の振動を除いた際に呼気が軟口蓋にあたって生ずる摩擦音)と母音 e との結合した音節 he にあたり、これを清音の「へ」という。これに対して、「へ」に濁点をつけた「べ」は、両唇の閉鎖による有声破裂音 b の結合した音節 be にあてられ、これを「へ」の濁音という。また、「へ」に半濁点をつけた「ぺ」は、両唇の閉鎖による無声破裂音 p の結合した音節 pe にあてられ、それを「へ」の半濁音という。歴史的かなづかいでは、語中語末の「へ」を e と読むことが多い。現代かなづかいでは助詞の e を「へ」と書く。「へ」及び「ヘ」の字形は共に「部」の右部の阝の草体から出たもの。ローマ字では、清音に he、濁音に be、半濁音に pe をあて、助詞の「へ」には e を用いる。

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