へびつかい座(読み)へびつかいざ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「へびつかい座」の意味・わかりやすい解説

へびつかい座
へびつかいざ
Ophiuchus

蛇遣座。天の赤道上の星座で 8月の宵に南中する。概略位置は赤経 17時10分,赤緯-4°。α星(ラス・アルハゲ)は光度 2.08等,スペクトル型 A5の巨星。α,β,η,δ,κの 2等から 3等の星を結ぶと大きな五角形ができる。RS星は平常時の光度 11.6等であるが,極大時には 4.3等になり,ほぼ 35年の周期爆発を繰り返す反復新星として有名。現在知られている全天の恒星中最大の固有運動をもつバーナード星もこの星座にある。ほかに S字状暗黒星雲や多くの比較的明るい球状星団がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「へびつかい座」の意味・わかりやすい解説

へびつかい座
へびつかいざ / 蛇遣座

夏の宵の南の中天に見える星座。明るい星が少なく、大きな将棋の駒(こま)のような形に並んだ星々をたどるのは、夜空の明るい都会地では少々めんどうかもしれない。全体としては、ここに巨大なヘビをつかんだ巨人の姿を想像するが、へびつかい座とへび座は別々の星座であり、しかも、へび座は西に頭部、東に尾部が分かれているという珍しいつくりになっている。これは、かつては一体とみられていた星座を、プトレマイオスがそれぞれ独立させたことによるものである。へびつかい座の巨人はギリシア神話医術の神アスクレピオスの姿で、彼のもつヘビは医術と健康のシンボルとされている。星座の中に多くの球状星団を含んでいるが、小望遠鏡で見やすいものにM10、M12、M14などがある。

[藤井 旭]


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