とおよる

精選版 日本国語大辞典 「とおよる」の意味・読み・例文・類語

とお‐よ・る とを‥

〘自ラ四〙
① なよなよとする。一説に、しなやかな姿態で寄り添う。
万葉(8C後)二・二一七「秋山の したへる妹 なよ竹の 騰遠依(トヲよる)子らは いかさまに 思ひをれか」
② 波のように揺れ動く。一説に、弓なりに曲がって列をなして空から海面に寄る意。
※万葉(8C後)七・一二九九「あぢ群の十依(とをよる)海に船浮けて白玉採ると人に知らゆな」
[補注]「とを」は、「とをを」「とをむ」の「とを」と同じく、「たわわ」「たわむ」の「たわ」とア列とオ列乙類の母音交替の関係にある。「よる」は「寄る」とする説もあるが、むしろ「下とよみ なゐが与釐(より)来ば」〔書紀‐武烈即位前紀・歌謡〕の「よる」で「揺れる」の意にとるべきであろう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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