ちゃんちゃん(読み)チャンチャン

デジタル大辞泉 「ちゃんちゃん」の意味・読み・例文・類語

ちゃん‐ちゃん[副]

[副]
刀と刀とで打ち合う音を表す語。「ちゃんちゃんり合う」
物事をとどこおらせず正確にするさま。きちんきちんと。
「単なる義理堅さから―とやってくる人物らしく」〈長与竹沢先生と云ふ人
[類語](2ちゃんときちんとしっかりしゃんとしっかりしゃんときちんきちんきっちりかっちりがっちりきりっと規則的几帳面整然

ちゃん‐ちゃん[名]

ちゃんちゃんこ」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「ちゃんちゃん」の意味・読み・例文・類語

ちゃん‐ちゃん

〘名〙 (中国、清時代のふう服装をして江戸の町中を、鉦(かね)をちゃんちゃんたたきながら歩いていたあめ売りの、鉦の音から出た語という)
① 中国人の辮髪(べんぱつ)。また、小児の頭のいただきの左右に、髪を円くそり残しておいたもの。唐子芥子坊主。ちゃんちゃんあたま。ちゃんちゃんけしぼうず。ちゃんちゃん坊主
滑稽本・小野譃字尽(1806)妄書かなづかひ「ちゃんちゃむ ぼうず大笑だ」
細君(1889)〈坪内逍遙〉二「チャンチャンは脱でお出でなされませ」
③ かつて中国人を蔑視していった語。ちゃん。ちゃんころ。ちゃんちゃん坊主。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉二「『よくもよくも日本の屎(くそ)におれを浴せたな、どうするか見やアがれ』〈略〉『サアこのちゃんちゃんめ』」

ちゃん‐ちゃん

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
金属木材などを打ち合わせる音やさまを表わす語。
洒落本・水月ものはなし(1758)上「中木戸から、ちゃんちゃんちゃんと拍子木の音」
二本刃物の刃と刃がぶつかってたてる音やさま、特に、刀と刀で斬り合う音やさまを表わす語。ちょうちょう。
※咄本・戯言養気集(1615‐24頃)上「兼舟のかみそりをちゃんちゃんと手合して」
③ 物事が滞らないさまを表わす語。きちんきちん。
三四郎(1908)〈夏目漱石〉一「月々のものも几帳面(チャンチャン)と送って来たから好かったが」

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世界大百科事典(旧版)内のちゃんちゃんの言及

【ちゃんちゃんこ】より

…袖無羽織で,〈ちゃんちゃん〉〈でんち〉〈さるこ〉などともいう。名は江戸時代,鉦を叩き飴を売り歩いた清国人の服装に由来するという。…

※「ちゃんちゃん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」