け・ケ(読み)け

精選版 日本国語大辞典 「け・ケ」の意味・読み・例文・類語

け【け・ケ】

〘名〙 五十音図の第二行第四段(カ行エ段)に置かれ、五十音順で第九位のかな。いろは順では、第三十一位で、「ま」のあと「ふ」の前に位置する。現代標準語の音韻では、軟口蓋の無声破裂音 k と母音 e との結合した音節 ke にあたり、これを清音の「け」という。これに対して、「け」に濁点をつけた「げ」は、軟口蓋の有声破裂音 ɡ の結合した音節 ɡe と、軟口蓋の通鼻破裂音 ŋ の結合した音節 ŋe とにあてられる。ŋe は語頭以外で ɡe の代わりに現われる。ɡe・ŋe を合わせて「け」の濁音といい、特に ŋe については、鼻濁音の「げ」という。鼻濁音を特に示す必要があるときは、濁点を一つにし、または半濁点゜を用いることがある。「け」の字形は「計」の草体から、「ケ」の字形は「介」の省画から出たものである。ローマ字では、清音に ke を、濁音に ge をあてる。かたかなの「ケ」を物を数える「一カ年・一コ」の「箇」に代用することがあり、近来は「一ケ・二ケ」等を「イッケ・ニケ」等とよむようにもなった。これらの「ケ」は、もともと「箇」の略体「个」から出たもので、かたかなとは起源を異にするが、字形として区別はなくなっている。また、「君ケ代」「越ケ谷」「八ケ岳」のように連体助詞の「が」にあてることがある。これは前例の「三ケ日(さんがにち)」等の「ケ」の転用である。

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