がりがり

精選版 日本国語大辞典 「がりがり」の意味・読み・例文・類語

がり‐がり

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる。古く「ぐりぐり」「ぐりぐり」とも表記した)
① 堅いものを粗くかみ砕く音を表わす語。
日葡辞書(1603‐04)「Garigarito(ガリガリト)〈訳〉堅い物が歯でかみ砕かれて、音をたてるさま」
咄本・気のくすり(1779)狼「むしゃむしゃと喰ては、がりがりと歯にあたる物を」
② 堅いものや、でこぼこのあるものなどに手荒くさわったり、また、かきまわしたり、ひっかいたりなどする時の音を表わす語。
※虎寛本狂言・伯母が酒(室町末‐近世初)「さらば戸を明う。見おるまいぞ、など云て、ぐりぐりぐらぐらぐら」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「棚板を爪で掻きむしる音ががりがりと聞える」
頭ごなしに叱るさまを表わす語。がみがみ。
[2] 〘形動〙
① 堅いものをかみ砕くさま。また、その音。
※波形本狂言・伯母が酒(室町末‐近世初)「やいそこなやつお見やるとぐりぐりじゃぞ」
② かむとがりがりと歯音のするほど堅いさまを表わす語。
※土(1910)〈長塚節〉八「与吉は口へ入れてもまだがりがりで且苦(にが)いので吐き出して畢(しま)ふ」
③ (「我利我利」の字を当てることが多い) 他のことを顧みないで、ただ自分だけの利益欲求を追い求めるさま。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生東京を去る「大概の否定主義は実に人間に対する我利々々の反感と、他の生命の善福を祝し得ざる吝かな意地わるさとから生じるものと」
④ ひどくやせているさま。
※羽なければ(1975)〈小田実〉一七「ガリガリに痩せてはりますのや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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