からは(読み)カラハ

デジタル大辞泉 「からは」の意味・読み・例文・類語

から‐は

[連語]準体助詞「から」+係助詞「は」》名詞活用語連体形に付く。…である以上は。…する以上は。「引き受けたからは最後までやる」
「契約して子にした―この雪(=人名)が返さぬ」〈浄・阿波鳴渡

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精選版 日本国語大辞典 「からは」の意味・読み・例文・類語

から‐は

[一] 名詞(「から(柄)(二)」)または格助詞の「から」に係助詞「は」の付いたもの。名詞の「から」は活用語の連体形を受け、格助詞の「から」は体言を受ける。→から
有明の別(12C後)一「ただ朝夕の御身の上をはるかにみいだし給へるも物心細きからは、すずろに御涙こぼるべし」
洒落本辰巳之園(1770)「見ねヱ。暮方からは是に火を燈す」
[二] 接続助詞の「から」に係助詞「は」の付いたもの。活用語の連体形を受け、「…以上は」の意を表わす。まれに、下にあるべき存在詞を略した体言を受けることがある。
※虎明本狂言・居杭(室町末‐近世初)「まいるからはどこへなり共まいらふ」
※歌舞伎・姫蔵大黒柱(1695)二「奥様になるからは随分始末が大事ぢゃ」
[補注]接続状態の系統からいえば、体言を受ける場合の「から」は格助詞、活用語の連体形を受ける場合の「から」は名詞あるいは接続助詞と一応考えられる。ただし、名詞「から」と格助詞「から」および接続助詞「から」は相互にきわめて密接な関係があり、必ずしもはっきりと区別できない。

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