お燈まつり(読み)おとうまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「お燈まつり」の意味・わかりやすい解説

お燈まつり
おとうまつり

和歌山県新宮市の神倉神社の例祭。毎年 2月6日の夜に行なわれる。敏達3(574)年の正月2日に神倉山が光を発し,その翌年の正月6日に祭りが始まったと伝わり,旧暦正月6日に行なわれていた。当日の夕刻熊野速玉大社熊野新宮。→熊野三山)の神職が行列して,源頼朝が寄進したと伝わる 538段の石段を登って神倉神社にいたり,午後7時過ぎに神火を鑚(き)り出して,神門手前の 2本の迎え松明にその火を移す。その頃,上り子と呼ばれる氏子たちが白装束で手に松明を持って神倉山に登り,迎え松明から手にした松明に神火を移して神社にいたる。上り子が神倉神社に集まると神門が閉じられ,玉垣内は火のついた松明を持った上り子たちであふれかえる。神門は午後8時過ぎに開かれ,上り子たちは一斉に飛び出してわれ先に石段を駆け下りて帰宅する。神職は神門外でそれを見送り,午後10時頃に阿須賀神社奉幣を行なったあと,速玉大社にも帰社して奉幣を行なう。(→火祭

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