20世紀日本人名事典 「いぬい とみこ」の解説
いぬい とみこ
イヌイ トミコ
昭和・平成期の児童文学作家 ムーシカ文庫主宰。
- 生年
- 大正13(1924)年3月3日
- 没年
- 平成14(2002)年1月16日
- 出生地
- 東京
- 本名
- 乾 富子
- 学歴〔年〕
- 日本女子大学国文科中退,平安女学院専攻部保育科〔昭和19年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 児童文学者協会新人賞(第4回)〔昭和29年〕「つぐみ」,毎日出版文化賞(第11回)〔昭和32年〕「ながいながいペンギンの話」,国際アンデルセン賞(国内賞 第1回・第2回)〔昭和36年・昭和38年〕「木かげの家の小人たち」「北極のムーシカミーシカ」,野間児童文芸賞(第3回)〔昭和40年〕「うみねこの空」,サンケイ児童出版文化賞(第29回・第30回・第34回)〔昭和57年・昭和58年・昭和62年〕「雪の夜の幻想」「山んば見習いのむすめ」「白鳥のふたごものがたり」,赤い鳥文学賞(第13回)〔昭和58年〕「山んば見習いのむすめ」,路傍の石文学賞(第9回)〔昭和62年〕
- 経歴
- 戦時中は東京・大森で、のち山口県柳井町(現・柳井市)で保育園に勤める。昭和21、2年ごろから創作を始め、「子どもの村」「童話」などに投稿。25年日本児童文学者協会新人会に入り、同時に神戸淳吉らと同人誌「豆の木」を創刊。同年岩波書店入社、「岩波少年文庫」など児童図書編集者として勤めながら創作を続ける。32年「ながいながいペンギンの話」を発表し、ロングセラーとなり、第11回毎日出版文化賞受賞。40年“ムーシカ文庫”を開く。45年退社し、創作に専念。他の主な作品に「ふたごのこぐま」「木かげの家の小人たち」「北極のムーシカミーシカ」「うみねこの空」「光の消えた日」「雪の夜の幻想」「山んば見習いのむすめ」「白鳥のふたごものがたり」(3部作)など。平成13年作品「光の消えた日」の舞台となった戦時保育園・ほまれ園のある柳井市尾ノ上に記念碑が建てられた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報