X線厚み計(読み)エックスせんあつみけい(英語表記)X-ray thickness gauge

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「X線厚み計」の意味・わかりやすい解説

X線厚み計
エックスせんあつみけい
X-ray thickness gauge

放射線厚み計の一種で,おもに冷間圧延で製造される薄鋼板の厚みを走行中に測定するのに用いられる。原理的にはX 線の透過吸収を利用し,X線吸収係数 μ ,厚さ x物体により,強度 I0 のX線が吸収されて強度 I になるとき,II0 exp (-μx) の関係式から x が求められる。しかし実際の方法は,X線管から出るX線を,一方では走行鋼板を通して強度測定し,同時に別に可変厚さの鋼製くさびを通して測定し,両測定器のX線強度が同じになるような装置を使い,そのときのくさびの厚さによって計測を行う。測定は,X線によるケイ光の強さを光電子増倍管で電流化する方式が多い。測定精度は ±2% 程度であまりよくないが,走行中に連続測定ができ,油脂などのよごれの影響が小さいことを特徴とする。別にメッキ層の厚さを,後方散乱法ではかる計器もあり,この場合はX線強度はガイガー=ミュラー計数管ではかる。

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