STED顕微鏡(読み)ステッドケンビキョウ

デジタル大辞泉 「STED顕微鏡」の意味・読み・例文・類語

ステッド‐けんびきょう〔‐ケンビキヤウ〕【STED顕微鏡】

《STEDは、stimulated emission depletion(誘導放出制御)の略》光の回折限界を越えた、より微細な構造を観察できる超高解像の蛍光顕微鏡。ふつうの蛍光顕微鏡が単に試料が発する蛍光を見るのに対し、観察用の励起光と蛍光分子を脱励起するための2種類のレーザー光を組み合わせて照射することで、極めて小さい蛍光スポットを作りだす。この方式により、ナノメートル単位の高分解能の観察が可能になった。誘導放出制御顕微鏡
[補説]ルーマニア出身のドイツの物理学者S=ヘルが1994年に原理発明。ヘルはその功績により2014年にノーベル化学賞を受賞した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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