黒田喜夫(読み)くろだきお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒田喜夫」の意味・わかりやすい解説

黒田喜夫
くろだきお
(1926―1984)

詩人。山形県米沢(よねざわ)市に生まれる。小学校卒業後は徒弟工として働くかたわら、ロシア語を学ぶ。太平洋戦争後、共産党入党したが、のちに除名通告を受ける。雑誌『列島』『現代詩』などの編集等に参加。第一詩集『不安と遊撃』(1959)で第10回H氏賞を受ける。農村底辺にある状況を冷静に見つめて、告発し続けた詩人であり思想家でもある。前記詩集は、戦後詩のなかでも屈指名作といってよい。

[原崎 孝]

『黒田喜夫著『詩と反詩――全詩集・全評論集』(1968・勁草書房)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「黒田喜夫」の解説

黒田喜夫 くろだ-きお

1926-1984 昭和時代後期の詩人,評論家
大正15年2月28日生まれ。昭和15年上京し,戦時下を少年工員として京浜地帯の工場ではたらく。21年共産党に入党。郷里山形県で農民運動にかかわる。「列島」「現代詩」などに参加,35年詩集「不安と遊撃」でH氏賞をうける。36年党除名。詩集「地中武器」「不帰郷」,評論集「死にいたる飢餓」などがある。昭和59年7月10日死去。58歳。

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