黒崎城跡(読み)くろさきじようあと

日本歴史地名大系 「黒崎城跡」の解説

黒崎城跡
くろさきじようあと

[現在地名]八幡西区屋敷一丁目など

洞海どうかい湾に突き出た岬の丘上(城山、標高六二・五メートル。のち道伯山とよばれた)に江戸時代初期に築かれた平山城。黒田氏の六端城の一で、慶長九年(一六〇四)に完成し(波多野文書)城主として井上九郎右衛門之房(入道名半斎道伯)が入部した。城名はしろ山南麓の字地黒崎によったと伝える(「続風土記」など)。なお黒崎の地名については康永二年(一三四三)三月一六日の出雲孝景申状(千家文書/南北朝遺文(九州編)二)に「黒崎うけとり」とある「黒崎」を当地とする説もある。出雲孝景は「黒崎」の場所がわからないとしているが、前後に京都番役の際の六波羅の請取と長門石築地番役の請取があるので、なんらかの番役の際の請取の可能性が高く、「黒崎」が当地であるとすれば、洞海湾に面することからモンゴル襲来に関する異国警固番役の請取とも考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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