こう‐え クヮウ‥【黄衣】
① あさぎ色の上着。無位の人が着用するもの。
※続日本後紀‐承和七年(840)六月辛酉「流人小野篁入京。披二黄衣一以拝謝」
※太平記(14C後)一三「黄衣(クヮウエ)著たる神人、榊の枝に立文(たてぶみ)を著て」 〔論語‐郷党〕
② 黄色の
法衣。僧の着る黄色の衣。ただし、もとは黄色を正色として、僧衣には用いなかった。
※参天台五台山記(1072‐73)六「是只被響応大師故也者、院中老宿等多著黄衣」 〔僧史略‐上〕
おう‐え ワウ‥【黄衣】
〘名〙 黄色の僧衣。中国では明代以降、ラマ
新教の僧の着る衣。こうえ。〔
禅林象器箋(1741)〕
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黄衣
こうえ
黄色の法衣。黄色は正色の一つであるところから初めは僧侶の衣には用いられなかったが,中国で用いられるようになった。元の時代にはたびたび朝廷から黄衣を与えられている。またチベットのラマ教の旧教が紅衣を用いているのに対し,ツォンカパ (宗喀巴) によって設立された戒律を重んじる新教では黄衣を着用している。
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デジタル大辞泉
「黄衣」の意味・読み・例文・類語
こう‐え〔クワウ‐〕【黄▽衣】
1 浅葱色の袍。無位の人が着用する。
2 僧の着る黄色い法衣。
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普及版 字通
「黄衣」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の黄衣の言及
【醸造】より
…日本の酒,みそ,しょうゆの醸造に用いられている麴は蘖にあたる。粉食習慣が完全に定着した6世紀初頭,賈思勰(かしきよう)が著した《斉民要術》に挙げられた30余種の酒に用いられた麴は,主としてコムギを原料とし,生麦(なまむぎ),炒麦(いりむぎ),蒸麦(むしむぎ)の粉を混合してつくった餅麴で,蒸丸麦(むしまるむぎ)や煮たダイズにカビをつけた撒麴は黄衣(おうい)とよばれ,もっぱら麦醬(むぎひしお)や鼓(くき)などの調味料の製造に使われている。粒食から粉食への食習慣の変革が,醸造に不可欠な麴の型を変化させたものといえよう。…
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