麓山瓦窯跡(読み)はやまがようせき

日本歴史地名大系 「麓山瓦窯跡」の解説

麓山瓦窯跡
はやまがようせき

[現在地名]郡山市麓山一丁目

清水台しみずだい遺跡南方地続き台地の東斜面に築かれた、瓦と須恵器を焼成した窯跡。窯の西側に鎮座する麓山神社を含めて麓山公園として整備されている。昭和三三年(一九五八)に発掘調査が行われ五基(A―E)の窯が検出された。いずれも登窯でA・B・D窯は半地下式の無階無段、C窯は地下式で底面三条の火道がつくられ、E窯は地下式の無階無段であった。切合いはなかったが、B窯の煙突部分にA窯からかき出された木炭・灰がかぶっていたことから、A窯廃棄後、B窯が構築されたものとみられる。出土遺物は軒丸瓦・軒平瓦・平瓦・丸瓦・筒状丸瓦・須恵器。軒丸瓦は細い隆線で表現された単弁八葉蓮華文で、内区と外区は一条の圏線で区画されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報