鷹島村
たかしまむら
[現在地名]鷹島町里免・阿翁免・阿翁浦免・船唐津免・三里免・原免・中通免・神崎免
鷹島全域を村域とする。中通免の宝ヶ峰に六世紀後半という三基の古墳を含む古墳群があり、鬼の岩屋と称される。近くの三代浦には神功皇后の伝説をもつ憩石神社が祀られる。中通免の元寇の激戦地跡と伝える供養元などモンゴル襲来の伝承地が多くある。原免の沖の前にある市杵島神社境内の釈迦堂に丈三尺・重さ八〇斤の銅造如来坐像(県指定文化財)があり、弘安の役のモンゴル軍の釈迦仏であったとされるが、阿弥陀像であり、造像年代は新羅時代、または高麗時代初期の作とされ、あるいは中国仏かともいう。この仏像は船唐津(船人津とも)の海民の網にかかったもので、仏崎に安置したのち沖の前に移したという。釈迦堂の周辺に三〇基余の五輪塔がある。
近世の鷹島は、三里村(三里・船唐津)・原村・中通村(中通・殿之浦)・里村(里・日比)・神崎村(神崎・石川)・阿翁村(阿翁在・阿翁浦)の六ヵ村からなっていたという。江戸時代は平戸藩領志佐筋九ヵ村の一つ(享保二年「平戸領分郷村付」松浦史料博物館蔵など)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報