高速道路騒音・振動(読み)こうそくどうろそうおん・しんどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高速道路騒音・振動」の意味・わかりやすい解説

高速道路騒音・振動
こうそくどうろそうおん・しんどう

高速道路を走行する自動車を発生源とする騒音公害の一つ。1960年代から都市間交通および都市交通のための自動車専用道路が本格的に建設されるようになったが,膨大な交通量と時速 100kmに達する高速力によって激しい騒音,振動を発生させて沿道住民に被害を与えるようになり,各地で訴訟などを通じ通行規制を求めたり,建設に反対する紛争が続発した。その代表的なものが,1976年に国および阪神高速道路公団に対し神戸など 4市の住民 152世帯が訴えたもので,阪神高速道路神戸線と国道43号線の騒音を昼間 65ホン,夜間 60ホン以下に規制し,高速道路の西宮線延長を中止するよう求めた。これは大阪国際空港公害訴訟(→伊丹空港騒音事件),名古屋新幹線訴訟とともに公共性のあり方と私権について決着が争われ,注目された。国の調査でも,高速道路沿線で夜間 65ホンをこえる住宅が全国で約 6000戸あるとされた。対策として,遮音壁の設置,家屋の移転,防音工事などが実施された。

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