高血圧症治療カルシウム拮抗剤(読み)コウケツアツショウチリョウカルシウムキッコウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

高血圧症治療カルシウム拮抗剤

製品名
《アゼルニジピン製剤》
アゼルニジピン(興和、興和創薬、田辺三菱製薬、武田テバ薬品、武田テバファーマ、武田薬品工業、辰巳化学、東和薬品、日医工、日本ケミファ、日本ジェネリック、ニプロ、ビオメディクス、富士フイルムファーマ、陽進堂)
カルブロック(第一三共)
《アラニジピン製剤》
サプレスタ(大鵬薬品工業)
ベック(日医工)
《エホニジピン塩酸塩エタノール付加物製剤》
ランデル塩野義製薬、ゼリア新薬工業)
《シルニジピン製剤》
アテレック(EAファーマ、持田製薬)
シルニジピン(沢井製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業、大興製薬、日本ジェネリック、富士フイルムファーマ)
《ニカルジピン塩酸塩製剤》
ニカルジピン塩酸塩(、共和クリティケア、沢井製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業、鶴原製薬、東和薬品、日本ジェネリック、日医工、日本ケミファ、日新製薬、富士薬品)
ペルジピン(アステラス製薬)
ペルジピンLA(アステラス製薬)
《ニルバジピン製剤》
ナフトジール(武田テバファーマ、武田薬品工業)
ニバジール(LTLファーマ)
ニルバジピン(沢井製薬、東和薬品、日本ジェネリック、日医工)
《バルニジピン塩酸塩製剤》
ヒポカ(LTLファーマ)
《フェロジピン製剤》
スプレンジール(アストラゼネカ)
フェロピジン(武田テバファーマ、武田薬品工業)
《マニジピン塩酸塩製剤》
カルスロット(武田テバ薬品武田薬品工業)
マニジピン塩酸塩(沢井製薬、サンド、シオノケミカル、武田テバファーマ、武田薬品工業、長生堂製薬、東和薬品、日医工、日新製薬、日本ジェネリック、富士フイルムファーマ、陽進堂)
《アムロジピンベシル酸塩製剤》
《ジルチアゼム塩酸塩製剤》
《ベニジピン塩酸塩製剤》
《ニソルジピン製剤》
《ニトレンジピン製剤》
《ニフェジピン製剤》

 カルシウム拮抗剤きっこうざいは、カルシウム(心筋や冠動脈を収縮させる物質)の作用を抑えて、血管内腔ないくうを広げるはたらきをもった薬です。そのため、血圧の治療に用いられます。


 アゼルニジピン製剤は、作用がおだやかで、1日1回の服用で24時間安定した降圧効果をもたらす薬です。


 アラニジピン製剤は、作用時間が長いので、1日1回の服用で効果があります。


 エホニジピン塩酸塩エタノール付加物製剤は、降圧作用のほかに、持続的な利尿効果もあります。


 ニカルジピン塩酸塩製剤は、心臓や脳の血管を拡張し、効果は長時間持続します。


 バルニジピン塩酸塩製剤は、強力で作用時間が長いので、本態性高血圧症じん実質性高血圧症、腎血管性高血圧症の治療に使われます。


 シルニジピン製剤は、効果がおだやかで、長く持続する薬です。また、ストレスによる血圧の上昇を抑える作用もあります。


 フェロジピン製剤は、より血管に対して作用する薬で、軽症から重症の高血圧症に使われます。


発疹ほっしんなどの過敏症状をおこすことがあります。過敏症状がおこったら使用を止め、すぐ医師に相談してください。


アゼルニジピン製剤では、房室ブロック、洞停止徐脈、肝機能障害、黄疸おうだんが、エホニジピン塩酸塩エタノール付加物製剤では、洞不全症候群(胸部不快感、脈が少ない、めまいなど)房室接合部調律、房室ブロック、ショックが、シルニジピン製剤ニカルジピン塩酸塩製剤は、肝機能障害、黄疸、血小板減少がおこることがあります。


 バルニジピン塩酸塩製剤では、アナフィラキシー、過度の血圧低下、肝機能障害、黄疸、マニジピン塩酸塩製剤で、過度の血圧低下による一過性の意識消失、脳梗塞、無顆粒球症、血小板減少、期外収縮、紅皮症、フェロジピン製剤で血管浮腫がおこることがあります。


 このような症状がおこったときは、使用を中止して必ず医師に相談してください。


 薬によっては、吐き気嘔吐おうと、便秘、動悸どうき、ほてり、のぼせ、むくみ、倦怠感けんたいかん、頭痛、めまい、耳鳴り、血小板減少、頻尿などがおこることがあります。


③自分では気づきにくい副作用(血液異常、肝・腎機能異常、尿酸値の上昇など)が現れることがあるので、医師から指示された検査は必ず受けてください。


①いろいろな剤型がありますが、食後の服用が原則です。1日の服用回数と服用する時間、1回の服用量については医師の指示をきちんと守り、かってに中止したり、減量・増量しないでください。


 これらの薬は、グレープフルーツジュースといっしょに飲むと効果が強まることもあるので、必ず水で服用してください。


 バルニジピン塩酸塩製剤では、んだりカプセルを開けて服用すると薬の効果が変わることもあるので、正しく用いてください。


問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。


 とくに、過去にこの薬で過敏症状をおこしたことのある人、肝・腎臓機能に障害のある人、心原性ショックの人、頭蓋内出血があって止血していない人などは、必ず医師に報告するようにしてください。ニカルジピン塩酸塩製剤ニルバジピン製剤では、頭蓋内出血で止血が完成していない人、脳卒中急性期で頭蓋内圧亢進のある人には使用できません。フェロジピン製剤は、心原性ショックの人には使用できません。


妊婦あるいは妊娠している可能性のある人には使用できません。また、母乳で授乳している人は、この薬を使用できないこともあるので、必ず医師に報告してください。


④この薬を使用中に、めまいやふらふら感がおこることがあります。自動車の運転、高所での作業などにたずさわる人は、医師に相談してください。


⑤ほかの薬を使用する必要が生じたときは、前もって必ず医師に相談してください。


 とくにアゼルニジピン製剤は、アゾール系抗真菌剤、HIVプロテアーゼ阻害剤などを使用中の人に用いることができません。


⑥飲酒によって血圧が極端に下がることがあります。服用中は禁酒を守ってください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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