日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬酔木(短歌雑誌)」の意味・わかりやすい解説
馬酔木(短歌雑誌)
あしび
短歌雑誌。1903年(明治36)6月から1908年1月まで、根岸短歌会発行。正岡子規(しき)の没後、伊藤左千夫(さちお)、長塚節(たかし)、岡麓(おかふもと)、蕨真(けっしん)、香取秀真(かとりほずま)ら門下が創刊した根岸短歌会の機関誌。自宅に発行所を置く左千夫が編集にあたり、第4巻3号まで32冊を刊行した。『明星』全盛期の歌壇では小雑誌にすぎなかったが、写生と万葉主義を唱え、子規の遺業継承と発展に努めた。石原純、柿の村人(かきのむらびと)(島木赤彦)、古泉千樫(こいずみちかし)、三井甲之(みついこうし)、斎藤茂吉らがここに育ったが、甲之以外はのちに左千夫とともに『アララギ』に参加、同派進出の推進力となった。
[本林勝夫]
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