飽ず(読み)あかず

精選版 日本国語大辞典 「飽ず」の意味・読み・例文・類語

あか【飽】 ず

(動詞「飽く」の未然形に打消の助動詞「ず」の連用形が付いたもの。副詞的に用いられる)
① 不満足な気持で。もの足りなく。
万葉(8C後)一五・三七〇六「玉敷ける清き渚(なぎさ)を潮満てば安可受(アカズ)われ行く帰るさに見む」
曾我物語(南北朝頃)四「十郎は、ちぢに腹をきり、うちちがへても、あかず思ひけれども」
② いつまでもいやにならないで。あきあきしないで。
貫之集(945頃)七「信濃へゆく人に贈る 月影はあかず見るともさらしなの山の麓に長居すな君」

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