食残(読み)くいのこし

精選版 日本国語大辞典 「食残」の意味・読み・例文・類語

くい‐のこし くひ‥【食残】

〘名〙
① 食べ残すこと。また、その食べ残したもの。くいのこり。
今昔(1120頃か)二六「己は鷲の噉(く)ひ残しぞかしと云て詈(の)り付つ」
② (比喩的に) 残り物。余り物。
※或る女(1919)〈有島武郎〉前「却って食ひ残しといふ程の遺産はあてがはれてゐたに違ひない」

くい‐のこ・す くひ‥【食残】

〘他サ五(四)〙
全部食べないであとに残す。
古本説話集(1130頃か)五三「又くひのこしてなべにあるも、見苦しなど思ふほどに」
② いろいろの種類食物を食べて、まだ食べないものがある。
咄本・軽口御前男(1703)三「おれは世界にくひ残(ノコ)したものがないといへば」

たべ‐のこし【食残】

〘名〙
① 食べ残すこと。また、そのもの。くいのこし。
大道無門(1926)〈里見弴〉眸「お菓子、あってよ、ここに。あたしたちの食(タ)べ残(ノコ)しが」
② (比喩的に) 残り物。余り物。

たべ‐のこ・す【食残】

〘他サ五(四)〙 食べ尽くさないで残す。全部食べきらないで残す。くいのこす。
浮世草子浮世親仁形気(1720)一「無念にござるは年の加減で、此ごろは汁椀に一盃程はたべ残しますと」

はみ‐のこ・す【食残】

〘他サ五(四)〙 食べていたものの一部を、食べきらずにのこす。食いのこす。
※俳諧・類柑子(1707)上「野べにかりかふあさくさのくはんをむまのはみのこしつる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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