デジタル大辞泉
「頼」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
たのもし・い【頼】
〘形口〙 たのも
し 〘形シク〙 (動詞「たのむ(頼)」の形容詞化)
① 他をみて、それが頼みにできるさまである。たよれるさまである。また、頼みに思うことからくる主観的な
気持や判断を示して、心強い。気強い。
※続日本後紀‐天長一〇年(833)二月二八日・宣命「
仁孝も兼厚くして、太能毛之久
(タノモシク)おだひしくあり」
※
平家(13C前)七「維盛卿『行すへとてもたのもしうも候はず』とて」
② 希望をもって期待されるさまである。楽しみなさまである。
※枕(10C終)一四二「またあべしと思へばたのもしきを」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈
仮名垣魯文〉二「地球
(せかい)の中の
強国となるとおもへばなんとたのもしいことではないか」
③ 裕福である。金銭などに恵まれていてたのしいさまである。
※宇治拾遺(1221頃)一〇「われは、わかかりし折は、まことにたのもしくてありし身なり」
[補注]
中世のキリシタン文献には、終止形や
連体形を
名詞として用いた例がある。「天草本平家‐四」に「コレヲ ミヤコエ
カエシ イレラレバ キミワ ナンノ votanomoxide
(ヲタノモシデ) ヨニモ ゴザラウゾ」「ぎやどぺかどる‐下」に「悪をさけ、でうすを迎へ奉る事、
是真の頼母敷也」など。
たのもし‐が・る
〘自ラ五(四)〙
たのもし‐げ
〘形動〙
たのもし‐さ
〘名〙
たのめ【頼】
〘名〙 (下二段動詞「たのむ(頼)」の
連用形の
名詞化) 頼みに思わせること。あてにさせること。たのめごと。
※
源氏(1001‐14頃)
夕顔「行くさきの御たのめいとこちたし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報