頭部白癬(しらくも)(読み)とうぶはくせん(しらくも)(英語表記)Tinea capitis

六訂版 家庭医学大全科 「頭部白癬(しらくも)」の解説

頭部白癬(しらくも)
とうぶはくせん(しらくも)
Tinea capitis
(皮膚の病気)

どんな病気か

 白癬(はくせんきん)が頭の毛に感染して起こるまれな病気です。

原因は何か

 小児に多くみられるように、年齢が関係します。また、白癬菌のなかでもミクロスポルム・カーニス(犬小胞子菌)、トリコフィートン・トンスランス(トンスランス菌)など毛に侵入しやすい菌で起こります。

症状の現れ方

 頭部鱗屑(りんせつ)(ふけ)が付着した比較的境界のはっきりした不完全な脱毛局面としてみられます。残っている毛も簡単に抜けてしまいます。

検査と診断

 毛を引き抜いて、KOH溶液やズームブルーを用いた直接鏡検顕微鏡での検査)を行います。毛の中やまわりに、胞子の形の菌要素を認めれば診断が確定します。

治療の方法

 外用薬では治り切らないので内服薬を用います(白癬)。

病気に気づいたらどうする

 毛に侵入しやすい白癬菌は感染力が強い傾向にあります。家族や集団生活のなかで、ほかにも感染者がいないかどうか注意してください。また、ミクロスポルム・カーニスはネコなどの動物にも感染します。

加藤 卓朗

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報