韓国文人協会(読み)かんこくぶんじんきょうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「韓国文人協会」の意味・わかりやすい解説

韓国文人協会
かんこくぶんじんきょうかい

韓国(大韓民国)における文学者の統合団体。朴正煕(ぼくせいき/パクチョンヒ)が政権をとり、既存社会団体をいったんすべて解散し新規に登録させたおりに、1961年12月、韓国文学家協会、自由文学者協会、詩人協会、小説家協会、戦後文学家協会などの会員が参集して「文学の自由および文学者の権利擁護のために」結成された。特定の理念を掲げておらず、原稿料の引き上げと税金対策、各種文学賞の設定、文芸講座等各種行事、出版活動などがおもな仕事となっている。機関誌『月刊文学』をもつ。しかし、文人協会の方向性に疑念を抱く少数の文学者は、1974年「自由実践文人協議会」を発足させ、それが、1987年の「民族文学作家会議」結成へと発展する。金大中(きんだいちゅう/キムデジュン)政権(1998~2003)のもとでは「民族文学作家会議」が「韓国文人協会」を超す大きな存在になった。

[大村益夫]

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