鞆結駅(読み)ともゆいのえき

日本歴史地名大系 「鞆結駅」の解説

鞆結駅
ともゆいのえき

古代北陸道の駅。「延喜式」兵部省に九疋の駅馬と五疋の伝馬を備える駅として登載。伝馬は令の規定では郡に備えられることになっていたが、「延喜式」では駅に兼備される例外が散見し、近江では当駅のほかに和邇わに(現滋賀郡志賀町)も伝馬をもつ。北陸道諸駅の駅馬は各五疋とする令の規定を超える九疋という駅馬数は、北陸道全駅のなかで最多。近江・越前国境の山岳地帯を通り抜ける難路をひかえた駅であったことによると思われる。伝馬を兼備したのも同じ理由によるのであろう。位置については海津かいづにあてる説、式内社鞆結神社があるうらにあてる説、鞆結・大道東おおみちひがし・大道西などの小字名がある石庭いしばにあてる説などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報