面・頬(読み)つら

精選版 日本国語大辞典 「面・頬」の意味・読み・例文・類語

つら【面・頬】

〘名〙
① (主に「頬」と表記) 顔の両傍、目の下の部分。ほお。
書紀(720)神代上(兼夏本訓)「大己貴神、即ち取りて掌中(たなうら)に置きて翫(もてあそ)ひたまひしかば、則ち、跳ねて其の頬(ツラ)を囓(く)ふ」
平家(13C前)一〇「花方がつらに『浪方』といふやいじるしをぞせられける」
② 顔。おもて。また、顔つき。表情。後世は、他人の顔をののしっていう場合に用いる。
※名語記(1275)四「面、顔をつらとなづく、如何」
③ ある物の側面。また、それに近接したところ。ある物や場所に面したところ。かたわら。
※大和(947‐957頃)一四七「当時(そのかみ)生田の川のつらに、女平張をうちてゐにけり」
④ 物の表面。おもて。また、表面に現れた事柄
※鵤荘引付‐応永二五年(1418)九月一五日「乍去逃散様、面をはかこゐて家内には住す」
⑤ 本当は違う物事を、そうであるかのようにふるまうこと。
※洒落本・多佳余宇辞(1780)「おまへのなじみの茶屋のつらに、爰をば云って」
体面面目面子(めんつ)
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「伊勢平氏が郎等に引はられて、子共がつらをやけがさんずらん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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