面子(読み)メンツ

デジタル大辞泉 「面子」の意味・読み・例文・類語

メンツ【面子】

《〈中国語〉》
体面面目。「面子を立てる」「面子がつぶれる」「面子にかかわる」
マージャンを行うためのメンバー。転じて、会合などの顔ぶれ。「面子がそろう」
マージャンで、3個でひとそろいとなるパイ組み合わせのこと。四つの面子と一つの雀頭ジャントウで、上がりの形となる。
[類語](1面目名誉名聞めいぶん体面一分いちぶん沽券こけん声価信用信望しん信頼信任人望定評評判暖簾のれん覚え名望声望徳望人気魅力受け名声美名雷名見栄みえ世間体体裁面皮肩身

めん‐こ【面子】

円形または長方形で表面に絵や写真のあるボール紙製の玩具。二人以上で互いに自分のものを出し、地面にたたきつけ合って、風の力で他人のものを裏返すなどして勝負を競う。

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精選版 日本国語大辞典 「面子」の意味・読み・例文・類語

めん‐こ【面子】

〘名〙
子どもの玩具。鉛、土、ガラスなどで作った銭形のもので、片面恵比須大黒、鬼、狐などの仮面をかたどったもの。おはじきなどに用いた。面形(めんがた)
② ボール紙で作った円形または四角形の玩具。表面にいろいろな絵が書いてあり、鉛製のものもある。また、それを使ってする遊び。交互に相手の地上に置いたものに打ち当てて、裏返らせたり、その下に自分のを入れたりするのを勝ちとする。
※当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉八「ナニこれが独楽(こま)や面子(メンコ)を買ふんでは無し」

メン‐ツ【面子】

〘名〙 (中国語から)
① 体面。面目。
信子(1938‐40)〈獅子文六〉一五「信子の面子(メンツ)にかけても、打棄(うっちゃ)って置けない」
② マージャンを行なうのに必要な人。また、一般にある集まりの参加者。「メンツがそろう」

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改訂新版 世界大百科事典 「面子」の意味・わかりやすい解説

面子 (めんこ)

おもちゃの一種。もとは粘土を焼いた直径3cmほどのもので,〈めんがた〉あるいは〈泥めんこ〉と呼ばれた。面,つまり人の顔や紋が面型でぬいてある。江戸時代につくられたもので,《嬉遊笑覧》には瓦の模(かた)に土を入れてぬく〈面模〉と,芥子(けし)面(指先ほどの小さな彩色した面)から発展した〈面打(めんうち)〉があると記されている。このころには穴一(あないち)やビー玉のような遊び方をしていたが,明治10年代に薄い鉛製のめんこが登場した。これは大衆に普及した金属製遊具の最初のものであり,まためんこ遊び特有の,相手を反転させる〈起こし〉を生み出した。しかし鉛害が問題になり,明治30年代には印刷した紙を板紙にはりつけた紙めんこが考案された。紙めんこは色彩が美しく大きさも自由で,初めは丸形(丸面)で,径1.5cmくらいから20cmくらいのものまであった。のちには小判形,角形,力士形(相撲面)のものも現れたが,丸面が主流をなしていた。絵柄も歴史上の武将を錦絵風にあつかったものから発展して,スポーツ,漫画,映画の人気者が描かれるようになった。めんこという呼称は東京地方を中心とするもので,遊び方,名称とも時代,地方によって異なり,別称は250を超す。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「面子」の意味・わかりやすい解説

面子
めんつ
mientzu

中国語をそのまま使用したもので,日本語としては面目,体面ともいい,世間に対する体裁を意味する。古い中国の社会では外面的な態度や行動がその人の価値を決定し,世間体,他人のおもわくが人の態度,行動を制約した。日本でも封建社会では身分制がきびしく,武士はその体面をけがさないように行動した。「面子を立てる」とか「体面をつくろう」という場合,その実がないのに表面だけをつくろって威厳を保つ態度,行動を意味している。こうした外面性,形式性に偏したいわば悪い面ばかりでなく,自己の面子を保ちながら他人の面子も重んじることにより,人間同士の交際に洗練と優雅をもたらす面もある。

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普及版 字通 「面子」の読み・字形・画数・意味

【面子】めんつ・めんし

体面。

字通「面」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の面子の言及

【駄菓子屋】より

…駄菓子類とともに,番小屋商売からのなごりともいえる,ごく日常的な雑貨を置く店もあったが,商品はおおむね子どもたちの遊びのための必需品であった。めんこ,べいごま,ガラスのおはじきや石蹴り玉,ほかに夏は花火,冬はたこ(凧)や羽根を売っていた。〈あてもの〉というのは,小さな辻占のような紙片を巻きこんだものがいっぱい貼りつけてあり,金を払ってそれをむき,うまく当りが出ると元手のなん倍かの価のものがもらえるというものだった。…

※「面子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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