霞の衣(読み)カスミノコロモ

デジタル大辞泉 「霞の衣」の意味・読み・例文・類語

かすみ‐の‐ころも【×霞の衣】

たちこめた霞を、衣に見立てていう語。
山桜―厚く着てこの春だにも風つつまなむ」〈山家集・上〉
《「かすみ」に「墨」を掛けて》墨染めの衣。ねずみ色の衣。喪服
「はかなしや―たちしまに花のひも解く折も来にけり」〈・早蕨〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「霞の衣」の意味・読み・例文・類語

かすみ【霞】 の 衣(ころも)

① 霞を衣装に見立てていう。《季・春》
古今(905‐914)春上・二三「春のきる霞の衣ぬきをうすみ山風にこそみだるべらなれ〈在原行平〉」
② ねずみ色の衣。喪服。
源氏(1001‐14頃)柏木「このしたの雫に濡れてさかさまにかすみのころもきたる春かな」

かすみ【霞】 の 衣(きぬ)

※俳諧・毛吹草(1638)五「天然(てんねん)と霞の衣(キヌ)黒茶染〈政公〉」

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