電気光学効果(読み)でんきこうがくこうか(英語表記)electrooptic effect

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電気光学効果」の意味・わかりやすい解説

電気光学効果
でんきこうがくこうか
electro-optic effect

透明な物質電圧をかけたときに屈折率などが変化する現象。非線形光学現象の一つ。かける電圧の強さの1乗に比例して屈折率が変化する場合をポッケルス効果(一次電気光学効果)とよび、かける電圧の強さの2乗に比例して屈折率が変化する場合をカー効果(二次電気光学効果)とよぶ。ポッケルス効果は圧電性を示す対称性結晶で現れ、カー効果はすべての対称性をもつ結晶で現れる。カー効果が現れる物質は、電気光学効果により複屈折が非常によく現れ、その性質を使い超高速の光シャッター(光の強度をオンオフするスイッチ)や光強度変調器として使われる。

[山本将史 2022年4月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電気光学効果」の意味・わかりやすい解説

電気光学効果
でんきこうがくこうか
electrooptic effect

結晶や液晶の光に対する屈折率が,外部より静電場を加えることにより変化する現象をいう。主屈折率が電場の強さの1次の関数として変化するときをポッケルス効果と呼び,また電場の強さの2乗に比例する場合をカー効果と呼ぶ。前者は,結晶に静電場を加えると,その圧電逆効果により結晶にひずみを生じ,屈折率が変化することに原因している。電場の変化が十分速くて結晶がひずまない場合は,原子内の電子雲の変形が原因となる。電場の変化が十分遅くて結晶がひずむ場合は,圧電気の逆現象によりひずみが生じ,そのひずみによる光弾性の効果が付加される。また後者は,結晶の電気分極の2乗に比例して屈折率が変化することが原因である。強誘電体のキュリー温度以下の強誘電相では,自発分極による自発カー効果が現れる。電気光学効果は,光の変調・偏向などに応用される。

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