雲閑寺跡(読み)うんかんじあと

日本歴史地名大系 「雲閑寺跡」の解説

雲閑寺跡
うんかんじあと

[現在地名]山鹿市中 本

十三部じゆうさんぶ台地の南斜面中腹の旧なか村の集落を見下ろすやや高所に位置する。宝勝山と号し天台宗本尊観音であった。現在は、立木に囲まれた境内跡に一間半四方の草堂が建ち、各所に石造物が散在する。開基開山は不明。「鹿郡旧語伝記」は久寿元年(一一五四)創建で宇野七郎親治の菩提所と伝え、「国誌」には「雲閑寺風松山延命院 台宗叡山延暦寺末寺也、寺記云、近衛帝久寿元年宇野七郎親治建立ト云、寺中年貢地也」とある。境内跡には数多くの五輪塔・宝篋印塔・板碑・笠塔婆・一字一石塔などが点在し、裏山には一字一石塔の跡らしい丸い川石の露出もみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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