雨の宮古墳群(読み)あめのみやこふんぐん

日本歴史地名大系 「雨の宮古墳群」の解説

雨の宮古墳群
あめのみやこふんぐん

[現在地名]鹿西町能登部上・西馬場

邑知おうち地溝帯の西側に延びる眉丈びじよう山系尾根筋標高約一九〇メートルに所在する古墳群で、国指定史跡前方後方墳前方後円墳各一基と約三〇基の円墳から構成される。最高所に立地する一号墳は全長約七〇メートル、後方部は長さ四二メートル、西側幅三六メートル・東側四五メートル、高さ八・五メートル、前方部は長さ二八メートル、前端幅三五メートル、高さ六・五メートルで、二段築成の葺石を施す前方後方墳で群中最も古相を示す盟主墳であるが、前方部の一部は天日陰比あめひかげひめ神社社殿建築のため削平されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「雨の宮古墳群」の解説

あめのみやこふんぐん【雨の宮古墳群】


石川県鹿島郡中能登町西馬場にある古墳群。邑知潟(おうちがた)の地溝帯を見下ろす眉丈山(びじょうざん)の尾根筋に立地する。前方後方墳、前方後円墳各1基を含む古墳約40基からなる古墳群で、能登地方の代表的な古墳時代前期の古墳群として重要であることから、1号墳(前方後方墳)と2号墳(前方後円墳)が1982年(昭和57)に国の史跡に指定された。雷ヶ峰と呼ばれる標高約188mの最高所にある1号墳は、全長約64m、2段築成で葺石(ふきいし)を備えており、古墳群では最古であり、4世紀後半代築造と推定される。埋葬施設からは、神獣鏡(しんじゅうきょう)や石釧(いしくしろ)・車輪石などの腕輪形石製品・玉・短甲・刀剣などが出土し、被葬者は能登地方に支配権を及ぼした人物と考えられる。2号墳は全長約65m、2段築成で葺石をともなうが、1号墳よりもやや築造年代は下がるとみられる。一帯は現在、雨の宮古墳公園として整備されている。JR七尾線能登部駅から車で約30分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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