普及版 字通 「隹(漢字)」の読み・字形・画数・意味
隹
8画
[字訓] とり・これ
[説文解字]
[字形] 象形
鳥の形。〔説文〕四上に「鳥の短尾なるものの名なり」という。卜文では、神話的な鳥の表示には鳥をかき、一般には隹を用いる。語法としては「隹(こ)れ」という発語に用い、文献では唯・惟・維を用いる。また動詞として「あり」、所有格の介詞の「の」、他に並列の「与(と)」、また「雖も」と通用することがある。隹はおそらく鳥占(とりうら)に用い、軍の進退なども鳥占によって決することがあったのであろう。祝詞の器((さい))の前で鳥占をするのは唯、神の承認することをいう。その祝に蠱虫の呪詛があるものは雖、保留がついて逆接の意となる。
[訓義]
1. とり。
2. ふふどり。
3. これ、あり、と。
4. 雖と通じ、いえども。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕隹 ナキヲ 〔立〕隹 フルトリ・トリ 〔字鏡集〕隹 トリ・ハト
[部首]
〔説文〕に三十九字、重文十二、〔玉〕に七十五字を属する。他に(すい)・(かん)などの部首がある。
[語系]
隹tjui、唯・惟・維jiuiは声近く、発語として通用する。雖siuiは、隹が肯定的であるのに対して、否定的な条件をもつ語である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報