隠無(読み)かくれない

精選版 日本国語大辞典 「隠無」の意味・読み・例文・類語

かくれ‐な・い【隠無】

〘形口〙 かくれな・し 〘形ク〙
① 人にはっきりわかるさまである。残らず知られるさまである。
蜻蛉(974頃)下「ほととぎすかくれなき音(ね)を聞かせてはかけはなれぬる身とやなるらん
大鏡(12C前)一「世の中のことのかくれなくあらはるべき也」
② 広く世間に知れわたっている。有名である。
源氏(1001‐14頃)夕顔「しのぶとも、世にある事、かくれなくて〈略〉よからぬわらはべの口すさびになるべきなめり」
仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下「そのかくれなかりし西行法師と申せし人」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android