隠州視聴合紀(読み)いんしゆうしちようがつき

日本歴史地名大系 「隠州視聴合紀」の解説

隠州視聴合紀
いんしゆうしちようがつき

四巻 地図一葉 斎藤勘介豊宣著か

成立 寛文七年

写本 西郷町佐々木家など

解説 隠岐に関する地誌として現存最古のもので、内容的にも評価されている。著者が記入されておらず、「松江市誌」は松江藩士斎藤勘介が隠岐郡代として渡島して調査記録した史料と記しているが、斎藤勘介の素性も判明していない。序文には寛文七年に島内をくまなく訪れ、老人や古社寺などから聞書きしたと記される。本編は仮名交じり文で、島後の周吉郡・隠地郡から島前へ渡海するコースで記述されている。内容は地勢の概要、人口・名勝旧跡神社仏閣の現状、故事・儀礼など紀行文ふうに綴られ、末尾に社寺一覧・焼火神社縁起・文覚論・名所和歌などが載る。

活字本 「出雲文庫」第二編、「日本庶民生活史料集成」二〇巻など。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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