際疾(読み)きわどい

精選版 日本国語大辞典 「際疾」の意味・読み・例文・類語

きわ‐ど・い きは‥【際疾】

〘形口〙 きはど・し 〘形ク〙
① はなはだしい。極端である。苛酷である。
愚管抄(1220)四「この頼長の公、日本第一大学生、和漢の才に富みて、腹悪しく、よろづにきはどき人なりけるが」
② もう少し事態が進んだら危険である。または、具合が悪くなるというすれすれのさまである。
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)二「これサこれサおめへたちゃアあきれるヨ、きはどい所で茶番をすらア」
草枕(1906)〈夏目漱石〉一「按摩(あんま)なら真逆様(まっさかさま)に落つる所を、際どく右へ切れて」
③ もう少しで卑猥(ひわい)、下品になりそうな、限度ぎりぎりのさまである。
春城随筆(1926)〈市島春城〉雅俗相半録「特に濃厚な男女の関係を描き、きはどい処の描写も敢へて避けない点や」
④ 年がおしせまるさま。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし「十二月三十日といふきはどき日の夕方となりて」
きわど‐さ
〘名〙

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