限無(読み)かぎりない

精選版 日本国語大辞典 「限無」の意味・読み・例文・類語

かぎり‐な・い【限無】

〘形口〙 かぎりな・し 〘形ク〙
① これで終わりという限度がない。尽きたり、終わったりすることがない。きりがない。際限がない。
万葉(8C後)二〇・四四九四「水鳥の鴨の羽色の青馬を今日見る人は可藝利奈之(カギリナシ)といふ」
※宇津保(970‐999頃)忠こそ「かぎりなき財(たから)といへど、貧しくなりぬ」
物事の程度が著しい。はなはだしい。非常である。
※伊勢物語(10C前)一五「女、かぎりなくめでたしと思へど」
徒然草(1331頃)二七「御国ゆづりの節会行なはれて、劔・璽・内侍所わたし奉らるるほどこそ、限なう心ぼそけれ」
③ それ以上に上のものがない。
(イ) この上なく高貴である。「限りなき位(くらい)」「限りなき人」「限りなき身」など。
源氏(1001‐14頃)乙女「かやうの事はかぎりなきみかどの御いつきむすめもおのづからあやまつためし昔物語にもあめれど」
(ロ) この上なくすばらしい。
※栄花(1028‐92頃)見はてぬ夢「かぎりなき男宮生れ給へり」
有明の別(12C後)一「かぎりなきかほかたちは、さる物にて」
かぎりな‐さ
〘名〙

きり‐なし【限無】

〘名〙
① きりのないこと。際限のないこと。尽きないこと。
絶え間のないこと。ひっきりなし。
※詞葉新雅(1792)「キリナシニ うちはへて 上にも出」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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