阿賀村
あがむら
[現在地名]呉市阿賀北一―九丁目・阿賀中央一―九丁目・阿賀南一―九丁目・阿賀町
北東は広村、東南は海に臨み、西は安芸郡和庄村・宮原村、南は同郡警固屋村に接する。賀茂郡に属した。ほぼ南北方向の細長い村で、北部は灰ヶ峰の南東斜面で標高五〇〇―六〇〇メートルの山地、南部は休山（五〇〇メートル）を主とする山地が海に迫り、北西部栃原村に源を発する大谷川がほぼ南流して海に注ぐ辺りに、わずかの平地が開ける。南方海上に情・小情の二島があり、村域に属す。
村名は「芸藩通志」に「倭名抄に香津といへる、此地なりといふ、かがあに転訛せしにや」と記すが不詳。天文二三年（一五五四）一〇月一九日付の小早川隆景奉行人連署の芸州加茂郡広浦之内百貫文打渡帳（「閥閲録」所収金山清兵衛家文書）に「檜垣肥前守先知行分 阿賀之内 田数弐町五段大四十五歩 拾貫三百五十文 畠数壱町六段三百卅歩 代参貫三百八十文」とあり、大内氏・小早川氏などの家臣の知行地があったことがわかる。
阿賀村
あかむら
[現在地名]美和町大字阿賀
玖珂郡の北部、萩藩領奥山代の中央部を占める本郷村（現本郷村）の東隣で、秋掛村の南、下畑村の北、中山村の西に位置する山村。村内中央を下畑川が南流。集落はその沿岸に点在する。萩藩領奥山代宰判所属。
村名は「大永ノ記録」（「山代温故録」所収）に五ヵ村の内として「阿賀郷」として出る。山代裁判文書（「閥閲録」所収）には永禄三年（一五六〇）九月八日付「阿賀郷検地下札」がある。「注進案」には「往古は明村（中略）と称せしが、いつしか言語訛りて、アカと唱へ、文字も赤の字を用ひしが、近年より文字を改め、阿賀村と書来り候」とある。
阿賀村
あがむら
[現在地名]西伯町阿賀
下阿賀村の南、法勝寺川中流右岸、手間山の支脈大平山の北西麓に位置する。上阿賀村ともいった。天保一三年（一八四二）の上阿賀村田畑地続全図（西伯町誌）によれば、法勝寺往来が川沿いに走り、地内で天万村（現会見町）への道と合流している。天正一五、六年（一五八七、八八）頃の吉川広家領地付立（吉川家文書）に「百五十貫 阿賀 中分共ニ」とみえ、この「阿賀」のうちには下阿賀村の領域も含まれていたと思われる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
