阿賀(町)(読み)あが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿賀(町)」の意味・わかりやすい解説

阿賀(町)
あが

新潟県北東部、東蒲原郡(ひがしかんばらぐん)にある町。2005年(平成17)東蒲原郡津川町(つがわまち)、鹿瀬町(かのせまち)、上川村(かみかわむら)、三川村(みかわむら)が合併して成立。新発田(しばた)市の南東にあたる。北は大日(だいにち)岳(2128メートル)、烏帽子(えぼし)岳(1573メートル)などを含む飯豊山地(いいでさんち)、北西は1000メートル級の山が連なる急峻な山岳地帯に囲まれた豪雪地帯。中心部は比較的平坦で、町の中央を阿賀野川(あがのがわ)が西流、支流の常浪川(とこなみがわ)が北流する。JR磐越西線(ばんえつさいせん)が阿賀野川に沿って走り、国道49号、459号が通じる。また、磐越自動車道の津川、三川の各インターチェンジがある。江戸時代は会津藩領。阿賀野川と常浪川が合流する津川は阿賀野川水運の川湊、新発田(会津)街道の宿駅として賑わい、会津藩の西の玄関口であった。1928年(昭和3)に鹿瀬発電所、翌年豊実(とよみ)発電所が建設され、昭和肥料鹿瀬工場(のち昭和電工、鹿瀬電工、新潟昭和)が操業を開始。1940年の新潟水俣病発生の確認以降、工場町は衰退に向かった。木材シイタケナメコ山菜などが特産。後継者不足などで農業人口は減少しているが、農家が自ら生産する米を原料に濁酒(どぶろく)醸造を体験する(2006年「阿賀町活性化どぶろく特区」に認定)滞在型グリーンツーリズムなどに取り組み、農業と観光事業を関連づけた地域の活性を図っている。平等寺(三川地区)薬師堂、護徳寺観音堂(鹿瀬地区)、五十嵐家住宅(鹿瀬地区)は、国の重要文化財に、室谷(むろや)洞窟(上川地区)、小瀬ヶ沢(こせがさわ)洞窟(上川地区)はともに縄文時代の遺跡で国指定史跡に、極楽寺(上川地区)の野中ザクラ、平等寺境内の将軍スギは国の天然記念物に指定されている。かのせ、津川、御神楽(みかぐら)、三川などの温泉に恵まれ、阿賀野川の景勝地、登山、スキーなどに観光客が訪れる。面積952.89平方キロメートル、人口9965(2020)。

[編集部]


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